女性脳の特長を生かして男性社会をしなやかに生ききる「女と男はすれ違う!」

人生を変える本

男性と女性の考え方の違いは、心理学や脳科学など様々分野で研究され続けているテーマだし、色んな本が出てる。

そんな中でもこの本は、単純に男女間のコミュニケーションを円滑にするためのテクニック本じゃない。

女性が自分の脳の得意分野を知ることで、女であること誇りに思いながら、自分らしくしなやかに生きていくことを応援してくれる。

どんな女性にも読んでほしい必読書。

黒川伊保子先生の愛ある語りかけが勇気をくれる

女と男はすれ違う!」は、2016年に刊行された「女は覚悟を決めなさい~人生に立ち向かうための脳科学」を、大幅に加筆修正して2020年に出版されたもの。

全体を読んでみて、私的にはやっぱ、こっちのタイトルの方がしっくりくる感じがする。

著者の黒川伊保子先生は、大学卒業後、企業で人工知能の研究に従事したのち、ご自分の会社を設立されたスーパーキャリアウーマン。

「女性脳」「男性脳」の違いや、家族にまつわるコミュニケーションのコツを面白おかしく語る著書をいくつも書かれている、ベストセラー作家でもある。

伊保子先生の旦那さんとのエピソードは、「こういう男の人いるよね」と、共感できて、思わず笑ってしまうようなものばかり。

そして、現代の男性脳型の社会構造のなかで、ときに否定され、悔しい思いを噛み殺しながら生きざるをえない女性への、少し厳しくも愛があふれる励ましに満ちてる。

私も黒川先生の、聡明な母のような語りかけに、何度も涙を拭った。

女性と男性では「とっさに使う回路の初期設定」が違う

女性と男性の脳のつくりはほとんど同じであるにもかかわらず、女性と男性の考えかたには明らかに大きな違いがある。

その理由は、「とっさに使う回路の初期設定」が違うから。

女性だけど、理由とか根拠をつい知りたくなっちゃう私でも、この本を読んですごく納得できたし、励まされた。

実は女性が得意なはずの、共感的な会話がものすごく苦手だった私。

悩みとか相談されても、すぐに解決策を提示したり、傷を抉るような質問責めにしてしまって(私としては相手のためによかれと思い一生懸命やってる)嫌われたことは数しれない。

ようやく、とりあえず共感することができるようになったのは、つい最近のこと。

つらかったね、とか、大変だったね、とか。

自分自身があまり共感されたことがなかったからなのかもしれない。

でも、脳のデフォルトでは、ちゃんとそれが自然にできる機能がついていると知って、なんだか嬉しかったの。

男女の違いを理解して賢く生ききる

因みに、脳のつくり自体は同じなので、私のように女性が男性脳を使うこともできるし、その逆もしかり。

どちらかが優秀で、どちらかが劣っているわけではないから、男性的に(または女性的に)思考できないことを責める必要はないし、責められても気に病む必要はない。

それぞれの特徴をよく理解して、自分の脳をうまく使いこなせればいいよね。

女性脳は寄り道で、男性脳はぼーっとすると活性化する

女性脳は色んなものを見たり、聞いたり、おしゃべりしたり寄り道で活性化する。

だから女性の買い物は時間がかかるよね。

でも、あれは無駄なんじゃなくて、目的のものをベストな脳の状態で選ぶための準備運動

あれこれ寄り道していた間に活性化した脳は、目的の売り場でビビっとくる一品を選べるというわけ。

対して、男性脳はぼーっとしている時に活性化するらしい。

私も父や弟、彼氏に一生懸命話しかけているのに、一切なんの反応もないことがたまに、いや、今まで数え切れないくらいある。

私自身もまれにあるので(こういうときは男性脳を使ってるのね、きっと)、あまり感情的に怒ったことはないけれど、彼らのそれは私のとは比べものにならないくらいひどいので、驚き呆れたことは何度もあった。

でも、そんなときに男性脳はとっても活性化してるのだと知ったら、その時間を大切にしてあげることが優しさだよね。

女の読書術も女性脳をフル活用して寄り道三昧でいい

ここからは私の持論で、この本を読んで、やっぱりこれで良かったと自信を持てた部分なんだけど。

目的を決めて効率的に読書して、読んだら要約してアウトプットしよう。

などと考えながら読書するのは、いかにも男性脳っぽい読書法だなって思う。

こういうのが好きな人はそれでいい。

それはそれで本当に素晴らしいことだから。

でも女性の読書はショッピングと同じやりかたでいい

特に目的意識もなく、なんとなく楽しそうなところを、好きなように、好きな時間に、好きなだけ読む。

途中でやめて全く関係ない別の本や漫画を読んだっていいし、むしろその方が理解が進むことがある。

お腹が空いたらおやつを食べて、コーヒーをいれないと。

座るのに疲れたらゴロゴロしてもいい。

とにかく、自分が楽しくて、快適であることを優先して。

読書しているなんだか素敵な自分に酔いしれるといい。

そうこうしているうちに、なんかビビっと痺れる文脈に出会える。

まさに自分にこの言葉が必要だった

とか思うような、人生を変えるような言葉に。

私はそういう出会いを何度もしてる。

そしたらそれを書き留めればいい。

要約が難しければ、書いてあること丸写しでも構わない。

そして思いを巡らせて、心地よい感情に浸り、ときに涙する。

読書は娯楽。

だけど時々私たちの人生を変えてくれるパワフルな行動なのよ。

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